心の花の歌人

山口明子

自選五首

歌ひつつ子らと歩きし海の町
がれきにしづみ重機行き交ふ

 『さくらあやふく』

カーナビは知人の宅を不意に告ぐ
がれきのみなる道走るとき

北を指す針セシウムに狂ふ春さくらあやふく光りつつ咲くがれきにしづみ重機行き交ふ

岩手山は白を激しき色としてみちのくの空占めてかがよふがれきにしづみ重機行き交ふ

 『みちのくの空』

月一輪凍湖一輪響き合ひましづかに鳴る冬の音楽がれきにしづみ重機行き交ふ